2019年7月5日金曜日

~第1章〜WELCOME to ILODORICAL王国~ vol.9 風船の日

ドラムの音が何かの始まりを告げるリズムで
みんなの注意をひいた。

ステージ上の華やかな人たちが
手拍子を始めると
同じように観客も手拍子で合わせた。

ドラムの音に管楽器が混ざり、
パレードのようなメロディーが
みんなのボルテージを上げた。


場の雰囲気が最高に高まったタイミングで
シンバルがジャーン!と鳴り響くと


「こんにちわ♪バルーンモモです!!
風船の日のバルーンフェスティバルへ
ようこそ〜〜〜♪♪♪」

モモの声が会場に響いた。
みんなが歓声をあげた。

「年に1度の風船の日がやってきました♪
私は小さい頃から自分の誕生日よりも
この日が大好きでした!
今年もこうやって みなさんと
風船の日を過ごせることが最高に幸せです!」

拍手と歓声があがった。


「みなさま、風船にお願いごとは書けましたか?

昔々からの言い伝え。

”あんだい”と”あんざと”が守ってくれた
イロトリドリの王国で
風船に感謝と願いを乗せて。

2019年はピンク色の年。
愛、優しさ、思いやり。
そんな色の魔法とともに
みんなで空を彩りましょう♪」

ドラムが弾むような
リズムを刻んだ。

「みんなで一緒に3からカウントダウンしましょう♪」

「3!!」
音楽が大きくなっていく。
「2!!!」
子供たちは叫ぶように数を数える。
「1!!!!」
大人も笑顔で大きな声をだす。


「HAPPY BALLOON!!!!」

ステージから大量のリボンが吹き出した。
みんな一斉に風船を空に放した。

ココロもみんなにならって
手首から紐を放すと、
空に浮いていくココロのバルーン。

他のバルーンと混ざっていくところを
見守った。




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