2019年6月24日月曜日

~第1章〜WELCOME to ILODORICAL王国~ vol.6 風船の日

「あ!ジョージさん♪ボス♪」


ジョージとボスを呼ぶ声が聞こえたので
振り返ると、
裾がたくさんの小さい風船で膨らまされた
ストライプ柄のワンピースを着た
かわいい女の人が
たくさんの浮かぶ風船を連れて
手を振って近づいてきた。


「こんにちわ。ももさん♪
今年もバルーンフェスティバルは
大盛況ですね。」

ボスは嬉しそうに尻尾をふって
モモに撫でて貰おうと
そばに寄っていった。

ボスの頭を撫でながらモモは、


「はい♪年々派手になっていっていると
思います♪」

と、笑いながら答えた。

「こちらは、さきほど日本から到着した
留学生のココロさんです。
ココロさん、こちらは王国で1番の
バルーンアーティストBalloon MoMoさんです。」

と、ジョージは二人を紹介した。

「ココロちゃん初めまして♪
Balloon MoMoです♪
今日は年に1度の風船のお祭りなの♪
そんな日に王国へ来たなんてスゴイね♪
Welcome to ILODORICAL王国!!
王国も風船の日も楽しんでいってね♪」

そう言ってモモは
桃色の風船を手渡してくれた。

ココロはモモがあまりにも
かわいいので気恥ずかしくなり、
風船を受け取った後、
うつむいて
感謝のお辞儀をすることしか
できない自分を悔やんだ。

「じゃあ、ジョージさんにも はい!♪
ボスにもね♪はい!♪」

そんなココロの様子を
まったく気にすることはなく、
モモは笑顔でジョージとボスにも
風船を渡した。

「もう少しでリリースの時間です♪
願いごとを急いで書いてくださいね♪
じゃあ、私はそろそろ準備があるので行きますね♪」

モモはそう告げて手を振るとと、
向こうで手招きしている
バルーンのドレスを着た女の人の
元へ走っていった。







~第1章〜WELCOME to ILODORICAL王国~ vol.5 風船の日

ジョージとボスとココロは
案内所を出発した。


「ホストファミリーの家は
この道沿にあって1本で行ける
とてもわかりやすい場所ですので
安心してくださいね。

この道がセントラル通りといい、
この道沿いに
王国最大の公園セントラルパークがあります。
そこで、今日は風船の日を祝う
フェスティバルをしています。」

そう話すジョージの横を
風船で作ったクマの帽子をかぶった
子供がリズムよく
走って追い越していった。

「お兄ちゃん待って〜!」

後ろから小さい女の子も
かわいいウサギの帽子をかぶって
追いかけていった。

ボスは女の子を応援するように
ワンワン!と鳴いた。


「あの子たちもフェスティバルに行くのでしょう。
もうすぐメインイベントの
バルーンリリースの時間ですからね。
私たちも参加いたしましょう。
バルーンのショーは圧巻ですよ♪」


少し歩くと並木の向こうから
音楽が聞こえてきた。

道を歩く人たちも増えてきた。

人々はそれぞれに
風船の花の髪飾りをつけたり、
風船のいちごを腕輪にしたり、
肩に風船の猿や犬を
つけていたりしていた。

ココロは華やかな雰囲気にワクワクした。

「ここがセントラルパークです。」


公園の入り口には
balloon festivalという文字の
バルーンが浮かんでいた。

溢れるように音楽と楽しそうな笑い声が聞こえた。

公園の中に入るとたくさんの人がいて
みんなが風船を持っていた。

風船でできたワンピースを着た女の人や、
動物の着ぐるみを着た人たちが
みんなにプカプカ浮かぶ風船を配っていた。












2019年6月21日金曜日

第1章〜WELCOME to ILODORICAL王国~ vol.4

「では、これから、
ホームステイ先のホストファミリーの家へ
ご案内いたしますね。

ここから歩いて10分ほどのところですので、
散歩しながら行きましょう。」

ココロは頷き、
立ち上がるため
膝の上に置いていた
ガイドブックを机に置いた。

「あぁ、王国のガイドブックを見てたのですね。
ボスが持ってきたのかな?」

ココロが うなずくと、

「これ、私が作った本なんですよ。
案内人の仕事をするにあたり、
王国のことをきちんと知るために
調べ、まとめたものなのです。」

ココロは感激した。

自分のトランクを開けて
たくさんの付箋が貼ってある
同じガイドブックを出して見せた。

ジョージは満面の笑みを浮かべた。



「読んでいただいてたのですね。
とても光栄な気持ちです。
そこには王国で過ごすうえで必要なことを
簡単にまとめてあります。

また何か分からないことがあれば
なんでも聞いてくださいね。」


ココロはお気に入りの絵のページを開けて
ジョージに見せた。



「この絵、気に入っていただけましたか?
私の最も好きな絵の一つです。

図書館に原画が飾られています。
とても大きい絵ですよ。

ホストファミリーの家へ行く途中にありますので
少し寄って見ていきましょう♪

ちょうど、その図書館のあるセントラルパークで
年に一度の風船の日という
大きなお祭りをしています。

それもご紹介しようと思っていたので
ちょうどいいですね。」



ココロは、嬉しいことが
シャワーのようにやってくるのを感じて
胸が高鳴った。







2019年6月19日水曜日

第1章〜WELCOME to ILODORICAL王国~ vol.3

「お待たせしました♪」

珈琲の香りと共に
ジョージが戻ってきて
ココロの前に珈琲を置いた。



「さぁ。どうぞ飲んでみてくださいませ。
これは"蝶印珈琲"という
私のオリジナルブレンドでございます。
まずは、この香り。
お花畑でたくさんの蝶が
蜜を探して飛び回ってる、
そんな様子をイメージしております。
そして一口飲むと蝶が現れ、二口飲むと、
蝶が飛び立ち、飲み続けるたびに
蝶達が花から花へと飛び立つ様子が目に浮かぶでしょう。

私、珈琲作りもしておりまして、
だから名前が
ジョージAコーヒーと名乗っておるのです。
初めて王国で飲んだ珈琲に感動し、
長年研究を重ねております。
この蝶印ブレンドは私の最高傑作でございます。
これが出来上がった時は、もう感動が止まりませんでした。
あれは奇跡の日だった・・・」

ジョージは遠い目になっていたが、
我に返ったように、

「失礼しました!!
どうぞお飲みくださいませ。
いや、私コーヒーのことになりますと、
つい熱弁してしまう癖がありまして、、、、。
いやはや、コーヒーというものは、
ゆっくりと静かに飲んでいただくのが1番だと
分かっているのに、ついつい、、、、。」

と、少し赤面して言い訳して黙った。

ココロは珈琲カップを手に取り、
匂いを嗅いでみた。

お花畑が頭の中に浮んだ。


一口目を飲むと

ポン!と目の前に
青い蝶が飛び出した。



え??
ココロは自分の目を疑った。

驚いた顔でジョージを見ると、
彼はとても満足そうに笑みを浮かべた。



もう一口飲むと蝶がもう1匹増えた。



もう一口飲むと蝶はさらに増え、
みんなで楽しそうに
部屋を飛び回っている。

すご〜〜〜〜〜い!!!!!

ココロは、少しずつ何口にも分け、
珈琲を飲み続け、
部屋中を蝶でいっぱいにした。

音楽に合わせて蝶々が
舞い飛ぶ様子を
二人と1頭で眺めた。

ボスの花に蝶がと止まり、
ボスがワン!とクシャミをした。

その瞬間パッと蝶が消えた。

ココロはジョージを見た。


「蝶印珈琲、気に入っていただけましたか♥?」

と、いたずらっ子のような
表情を浮かべて言った。

ココロは起きたばかりのような
夢か現実かわからない
ふわっとした感覚で
何度もうなづきながら拍手した。


「花印の珈琲もあります。
花印珈琲は、次回ご馳走しますね♪

ちなみに、犬印珈琲を現在開発中です。
ボスがいっぱい出てくる予定なのですが、、
大きいサイズのものは難しいのです。」

ココロはボスが部屋中に
たくさん走り回る姿を想像すると
苦笑いを浮かべた。






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第1章〜WELCOME to ILODORICAL王国~ vol.2

船着場から3分ほど歩くと
左手に白いとんがり屋根の
かわいい建物が見えてきた。

ジョージが振り返り


「ここが私の職場、
イロドリカル王国の案内所です。」

と言った。

味のある木でできたドアを押し開けると
相棒犬ボスが、
僕が案内するんだ!と言うように
ココロの前を足早に歩いた。



その先には
日当たりのよい部屋があった。





大きな窓の向こうには海が広がっていて、
ココロを連れてきてくれた船が
まだ船着場にいるのが見えた。


「どうぞソファにお座りください。」

ジョージが指す白いソファに座った。


「長旅おつかれさまでした。
どうぞリラックスしてくださいね。
珈琲はお好きですか?
旅の疲れがとれる
とびきりの珈琲を
お持ちしようと思うのですが。。

うなずくココロを見て、
ジョージは微笑みながら、

「では、少々お待ち下さい。
珈琲は挽きたてが1番ですからね。」

そう言うと、ジョージは、
奥の扉に入っていった。

ボスと二人だけになった
ココロは部屋の中を
キョロキョロと見回した。

ジョージの趣味なのだろう。
綺麗な色の絵や、変わった置物が
センスよく飾られていた。


ボスが1冊の本をくわえてココロの膝に持ってきた。

【ILODORICAL 王国ガイドBOOK】と
書かれた旅行本だった。

ココロはこれと同じものを
トランクケースに持っていた。

日本の本屋さんで見つけ、
何度も何度も読んで、
王国への留学を決めた
お気に入りの雑誌だった。

1番好きなページをめくって探した。

そこには、
見開きで一面に、
キラキラ光る海の中に
大きなクジラがいて
その背中に王国が描かれた
絵が載せられていた。

その上にプリントの文字で
『welcome to ILODORICAL王国』
と、綴られている。

ココロはこの絵に
いつも見惚れていた。






第1章〜WELCOME to ILODORICAL王国~ vol.1




船内アナウンスが楽しげな曲と共に流れ、
目的地に着くことを知らせた。

夢にまでみた場所に本当にきたんだ!
ココロは感激を覚えた。

降りる支度は10分以上前に終えていたので、
窓から船が着く様子をゆっくり眺めることができた。

白と青のシマシマの服を着た男の人たちが、
慣れた手つきで縄を扱い、
ポールに巻きつけて船を固定した。





「足元にお気をつけて、ゆっくりと降りてください。
イロドリカル船をご利用いただき
ありがとうございました。」

慣れてきていた船室とサヨナラして、
年季の入った木の橋に足をおろした。

たくさんの荷物をお気に入りのトランクに
バランスよく積みあげて、
ゴロゴロと音をたてながら、
船を降りた人たちと
同じ方向へ向かって歩いた。

橋の終わりに近づくと、
ハットをかぶり、
大きな犬を連れた男の人が
こちらに視線をくれている。



ココロは緊張してドキドキする鼓動を感じた。



「ココロ様ですね?長旅お疲れ様でした。
私は案内人のジョージAコーヒーと申します。
『ジョージ』とお呼びください。」

そういいながら
帽子の男性はグーにした右手を
ココロの前に差し出した。


その手をクルっと回すと
そこからパッと
ピンク色の花を出して、
ココロに手渡した。

同時に「ワン!!」と吠えた
大きな犬に目をやると、
『WELCOME to   ILODORICAL  KINGDOM!』
と、かかれた巻物をくわえていた。




「こちらは私の相棒のボスです。
顔は怖いですが優しくて賢い犬なので
安心してくださいね。」 

ココロは、うれしくなり、
緊張のからワクワクへのドキドキで
胸がいっぱいになり
その思いを込めた笑顔を返した。


「荷物をお持ちします。
ここから少し歩いたところに
案内所がありますので、
そちらでお話をさせていただきますね♪」



荷物に解放されたココロは、
スキップしたい気持ちを抑えながら
ジョージの後ろをボスと一緒について歩いた。

ボスはクンクンとココロの手のニオイを嗅いで
笑顔でワン!と吠えた。
「王国へようこそ!」そう言っているのが分かった。


いよいよILODORICAL王国での生活が始まるんだと、
胸がいっぱいになった。










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ILODORICAL王国物語〜プロローグ〜


みんながカラフルに生きる国、

ILODORICAL王国。


そんなイロドリカル王国は、

心が豊かであることを

優先順位の1番にしているだけの

普通の国です。


いやまぁ、ちょっとは普通じゃない所も

あるかもしれません。


でもそれは、

みんなが自分の心を大切に

イロトリドリに思い切り生きていれば

こんな王国ができるんだと思っています。



そんな王国に

日本からの留学生ココロちゃんがやってきます。

ココロちゃんと一緒にイロドリカル王国を

知っていただけたら嬉しいです。







王国の案内人は【ジョージ A コーヒー】です♪

ジョージとお呼びください。









ココロちゃんを乗せた船が、そろそろ王国へ着きます。


ジョージは案内所で

今日やってくる留学生ココロちゃんの資料に

目を通しながら自分の作ったコーヒーを満足そうに飲んでいます。



顔は怖いけど
賢くて優しい相棒の犬の
ボスがワン!と吠えたので
時計を見ると迎えの時間の10分前。




ボスがくわえてきた
お気に入りのハットをかぶり、
お迎えの準備を始めたようです。



この帽子はジョージが大好きな映画に出てくる

俳優がかぶっていたもので、

クールでユーモアのある彼に憧れた日から

真似をしてずっとかぶっています。

今ではこれがジョージのトレードマークとなりました。



鏡の前で角度に気をつけながら帽子を被ると、

案内人としてのスイッチが入ります。




ジョージは王国の案内人の仕事を20年ほどしています。

実は彼は、イロドリカル王国の生まれではありません。

観光で訪れてとても気に入り、移り住んだクチです。

ジョージは

『王国の魅力を伝えるのが自分の使命だ』と

誇りを持ってこの仕事をしています。



仕事の時は毎回

自分が王国に初めて来た時に受けた感動を思い返し、

案内するように心がけています。




今日も、新しくやって来る留学生を出迎える

シュミレーションに余念がありません。




ちなみに、イロドリカル王国へは船でしか来られません。


今時、飛行機でいけないなんてとても不便なところですが、


そういう決まりなので しょうがないのです。







船着場までは、歩いて3分ほど。


「今日やって来る子がイロトリドリな経験ができるような案内人を務めるぞ」



全身鏡の自分の姿に念を込めながら

ジャケットのポケットに仕込んだ小道具を確認した


ジョージが「よし!行こうか♪」と声をかけると


ボスは「ワン!」と嬉しそうに返事をしました。


MoA展について


2019年8月末に友人のバルーンアーティスト
Balloon MoMoちゃんと
MoA展という二人展を開催することになりました。

MoMoの「Mo」とaicoの「A」でMoA.
英語の「more」という意味もかけています。



二人でよく、

モットモット
やりたいこと、
おもしろいこと、
楽しいことをして、

モットモット
広いセカイを目指したい!など

子供のように言いたい放題
夢を話していると
パワーが湧いてきて、
なんでもできるような気持ちになります。


その思いを形にしたく、
MoA展を三重県立美術館で8月末に
開催しようと決めました。


この時期を選んだのは、お子様や学生さんにも
夏休みの思い出に来てもらえたらなと思ったからです。


バルーンアートと現代アートで
自由でココロ膨らむイロトリドリなセカイを作って
みなさんを招待いたします。














今回一緒にMoA展をする、
Balloon MoMoちゃんは、とてもかわいい人です。

風船を人間にしたら、
モモちゃんみたいになるのだろうと思います。

幼い頃から、風船が大好きで、
バルーンアーティストを夢見ていた彼女は、
その夢を叶え、
今では
バルーンの大会で日本1位になったり、
世界3位をとるような実力の持ち主です。

そんなすごい功績をとりつつも、
子供のように純粋で
プカプカ浮かぶ風船のようで、
モモちゃんの作るバルーンアートは
みんなを笑顔にします。

バルーンモモちゃんを見ていると
楽しい物語が浮かんでくるのです♪



そんなモモちゃんは、
ILODORICAL王国物語にも王国認定の
バルーンアーティストとして登場しています。

ちなみに私自身も、
王国認定の画家のiLodori aicoとして
物語に登場してきます。w


王国はARTを強く推奨しているので
アーティストという職業も公務員のように
王国認定職としてあります。

だからたくさんの人が【職業=アーティスト】
として生活しているのです。


そのおかげで、
王国には素敵なARTがたくさん溢れ、
みんなの心を彩っているのです。



また、モモちゃん以外にも、
私の友人、家族、まわりの素敵だなと思う人を
モデルにしたキャラクターもたくさん登場しています。

名前はそのままの人もいれば、変えてあることもあります。




ということで、
MoA展では、

ILODORICAL王国のお祭り、

「風船の日」をなぞらえた
「願い事バルーン」を
来ていただいた皆様にも体験していただきます。

この「風船の日」については、
この物語ブログに書いていきますので
ぜひ読んでください♪

読んでから MoA展に来ていただければ
展示をさらに楽しんでいただけると思います。