とんがりテントの中にいた
トラが手渡してくれた。
リスとライオンもいた。
なんてよくできた着ぐるみなんだと思った。
顔の表情までとてもリアルに動くのだ。
「願いごとは内緒にする方が叶うという
言い伝えがあります。
見ないようにしますので、
向こうの机でお書きください。
まぁ、私の願い事はいつも言っているので
今更内緒ではありませんので...」
と、ジョージはココロの前で書き始めた。
『ボスの珈琲が完成しますように....』
真剣な顔をして書くジョージを見ながら、
ココロは願い事を探した。
少し迷ったが、
ジョージは見ないというので、
小さい文字で本気の願い事を書いた。
風船の神様...
どうぞお願いします...
心の中で祈った。
「では皆様!!
バルーンリリースのお時間となりました♪
ステージ近くにお集まりください♪」
元気な声のアナウンスが流れた。
風船をもつ人々が円形のステージの周りに集まった。
掘り下げ式のステージで
石でできた椅子階段が囲んでいる。
どの位置からでもよく見える造りだ。
ステージ上には
たくさんの風船を持った
モモを中心に
風船のドレスの女の人たち、
着ぐるみの動物たちが並び手を振っていて、
その後ろで楽器隊が生演奏を奏でていた。
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