2019年7月2日火曜日

~第1章〜WELCOME to ILODORICAL王国~ vol.8 風船の日

「はい。このペンをどうぞ♪

とんがりテントの中にいた
トラが手渡してくれた。
リスとライオンもいた。

なんてよくできた着ぐるみなんだと思った。
顔の表情までとてもリアルに動くのだ。


「願いごとは内緒にする方が叶うという
言い伝えがあります。
見ないようにしますので、
向こうの机でお書きください。
まぁ、私の願い事はいつも言っているので
今更内緒ではありませんので...」

と、ジョージはココロの前で書き始めた。

『ボスの珈琲が完成しますように....』


真剣な顔をして書くジョージを見ながら、
ココロは願い事を探した。

少し迷ったが、
ジョージは見ないというので、
小さい文字で本気の願い事を書いた。

風船の神様...
どうぞお願いします...
心の中で祈った。


「では皆様!!
バルーンリリースのお時間となりました♪
ステージ近くにお集まりください♪」


元気な声のアナウンスが流れた。
風船をもつ人々が円形のステージの周りに集まった。

掘り下げ式のステージで
石でできた椅子階段が囲んでいる。

どの位置からでもよく見える造りだ。

ステージ上には
たくさんの風船を持った
モモを中心に
風船のドレスの女の人たち、
着ぐるみの動物たちが並び手を振っていて、
その後ろで楽器隊が生演奏を奏でていた。





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