2019年7月11日木曜日

~第1章〜WELCOME to ILODORICAL王国~ vol.10 風船の日

空に向かって飛んでいくバルーンと
一緒に上がっていく目線の先に、


驚きの光景があり、

ココロは一瞬ここは
夢の中なのかと疑った。


願いを連れて空へ向かったバルーンたちは
空中できれいな円を作って整列し、


その真ん中には、
モモが浮かんでいた。


会場はおおいに盛り上がった。


音楽隊がなめらかなメロディを奏でると



モモの指揮に合わせて

風船たちがくるくると回り始めた。


音とともにスピードを上げたり
配列を変えたり、

風船たちが踊っていた。



その光景を見たココロの頭に

昔読んだ絵本が蘇った。


その本は、風船の天使の物語だった。



モモちゃんは風船の天使なんだと

夢見心地の頭で納得した。



ショーはクライマックスに差し掛かったようで

音楽が大きくなり激しくなった。



風船たちはモモの回りに集まり

モモの姿を隠し、

大きな大きな1つの風船になった。


シンバルのジャーン!!

という音が響くと、


大きな風船は、

パーン!!と

音を立てて破裂した。


音に驚きながら上を見ていると

キラキラとカラフルな

紙吹雪が降ってきた。



大きな風船から

もとの風船たちが生まれ、



その風船たちは

何事もなかったかのように

ゆっくりとした流れの風に乗って

プカプカと天を目指して飛んでいった。





モモは風船の群れから離れ、

見守る観客に手を振りながら

プカプカとステージへ降りてきた。




拍手喝采はしばらくの間鳴り止まなかった。



ココロも夢中で手を叩いた。










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