2019年7月14日日曜日

~第1章〜WELCOME to ILODORICAL王国~ vol.12 孔雀

「では、そろそろ行きましょうか。


この公園の中に図書館があります。

そこにガイドブックの載せた
ココロさんもお気に入りの絵が
飾られているので、
それを見てから、
ホストファミリーの家へ向かえば、
ちょうどいい時間になるでしょう。」



と、ジョージが言い
2人と1匹は歩き始めた。


途中、大勢の人に囲まれるモモのそばを
通ると、気づいて笑顔で手を振ってくれた。


ココロは一生懸命大きく手を振り返した。

今日のことはおばあちゃんになっても
忘れないだろうと思った。






しばらく歩くと、先ほどの会場の熱気は薄れ、

大きな噴水のある広場に差し掛かった。



噴水の中央には孔雀のオブジェがあり、
羽から球を描くように
噴水が吹き出していた。


周りには何体もの孔雀の銅像が
ポーズを変えて
噴水を取り囲んでいた。



「王国では孔雀が神の使いとして
祀られています。

噴水の周りには12体の孔雀の銅像があり、
人々はこの孔雀に祈りを捧げます。

孔雀たちはそれぞれに
愛、富、時、再生、チャンスなど、
いろんなお役目を持っているので、
その時に合う銅像にお参りするんですよ。」




それぞれの孔雀の前で数人が
集まっていた。




「この公園の銅像たちには
いろんな不思議な伝説があります。

興味があれば調べてみると
面白いでしょう。

図書館にはそういう本もたくさん揃っていますからね。」



不思議な伝説という言葉に
ココロは心惹かれた。

本を読むのは大好きなので
ぜったいに読もうと思った。



「この公園には、
本物の孔雀もたくさんいます。」



ジョージは足を止めて
地面から何かを広うと
ココロに手渡した。


「どうぞ。」

目の前に差し出されたのは
青く輝く孔雀の羽だった。



「孔雀の羽は幸運を運んできてくれて、
魔を祓ってくれると昔からお守りとして
言い伝えられています。

その羽根がココロさんを守ってくれるでしょう。」


初めてまじまじと見る孔雀の羽根は、
光に当たって
青にも緑にも黄色にも見えて
とても神秘的だった。











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